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この国は女王の舞台同然であり、昼夜問わずに全て国民に指示をする。
女王が右と歌えば右へ、左と歌えば左へ動かなければならないそんな国。
国民は駒同然で、1つでも間違えたり気に食わなければ、
女王の魔法で紅い花にされてしまう。

そんな女王は閃いた、人同士を闘わせたらどうなるのか。と
女王は魔法で闘技場を作った

次の日の朝
冒険者、それなりに力のある者、枝のように細く貧弱そうな者。
様々な人物が集まり、女王は大変満足していた。
そしてこの闘いの優勝者には、特別な力を授けることを約束した。

女王の歌が闘いの合図。
多くの観客に囲まれて、1対1の闘いが始まる。
長く続くものもあれば、呆気なく終わるものもあった。
擦り傷ですんだ者、死傷を負う者、女王は高い席からにんまりと笑い見下ろす。
闘いは夕方まで続き、とうとう最後となった。

残ったのは有名な冒険者と、ボロ布のような服を着たみすぼらしい男。
「あぁ、そういえばあんなやついたな」と、女王つまらなさそうに髪の毛をいじる。
しかし、思ったよりも長い戦いとなる、その光景を面白がった女王は思いついた。
「あの弱そうな男を勝たせてやろう…!」
女王は静かに笑い、手を降り下ろす。

すると、冒険者の足元の地面がひび割れ裂けそこに冒険者が落ちていった。
貧弱な男は何が起こったか分からず唖然としていた。
観客もどよめき出した。
自然災害だから仕方ないと、女王は言った。
シンと辺りが静まり、まばらな拍手が響く。
その音は喝采へと変わり、男も涙を流し喜んでいた。

以前、その冒険者に馬鹿にされ汚物のような扱いをされ、
そのせいか周りの人まで男を酷く醜く汚いものとして扱っていたという。

「女王陛下、なんとお礼を申し上げれば良いか…!」

女王はふわりと宙に浮き男のもとまで近づいた。
「男よ、お前に力を授けよう。喜べ、今からお前の復讐の時間だ。好きなだけ暴れるが良い。」
女王は男の頬に口付けをした。
すると、男の体がぶくぶくと膨れ上がり怪物と化した。
ここには国のほぼ全ての人が集まっている。怪物は観客席をなぎ払い、火を吹き、歩き回る。

逃げても逃げ場のないこの場所ではいとも簡単に人が死んだ。
それを面白がる女王はこう言った

「なんだ、あんな事をしなくても人が争う姿が見れたじゃないか」と

暴れる怪物を街に残して、女王は城へ帰っていった。
その後どうなったかは知らない。
焼け焦げ鉄の臭いのするこの国は、1人の女王が全て国民に指示をする。
女王が右と歌えば右へ、左と歌えば左へ動かなければならないそんな国。
国民は駒同然で、1つでも間違えたり気に食わなければ、
女王の魔法で紅い花にされてしまう。

ほら、沢山の花が地面に咲き乱れているだろう?