EXEC_REGALIA

ここは死者が辿り着く場所。
その入口に座る1人の少女。
彼女はこの世界の姫、またの名を冥界の王。
生前の行いなどを鑑識し極楽地獄へと送る者。

良い行いをすれば極楽。悪逆非道な行いなら無論地獄へと落とされる。
死者は極楽に行こうと嘘をつく。
彼女は呆れ、嘘をつく者を地獄へ導く。
毎日毎日、もうどれだけ時が経ったのかさえも分からない時に、1人の死者が彼女に尋ねた。
「貴方はどちらに逝くのか」と。
驚きと同時に笑いが込み上げてきた。

彼女は生前、多くの人を惨い方法で殺めた大罪人だった。
死ねば勝手に成仏できるものだと呆けていて冥界の門を潜ろうとした。
しかし残念なことに、当時冥界の王とやらに
「お前をそう簡単に成仏させてなるものか。死後も苦しめ」と、この席に座らされた。
白く光る魂は極楽、赤く光る魂は地獄へ導く簡単な仕事。
息をするように選別していたからか、生前のことなどすっかり忘れていた。
「私はどちらに逝くことも無い。生まれ変わることも無ければ、極楽で贅沢できる訳でもない。」
死者は「そうですか」と言うと極楽へと上がって行った。

死してもなお、生前の姿のままこの冥界で生きることが己の運命。
その穢い魂は世界の終焉が訪れた時に、救われることになるだろう。